東武200・250系 最終確認時期:2004年8月

先般、東武1800系改の項で「りょうもう=急行」世代と申しておりますが、新型車(いくら流用機器があっても、新型は新型)を見るにつけ、「急行りょうもう→今は特急→買うのは特急券」等というどうしようもない脳内変換を行っていたりします。

しかし、ご存じの通りで停車駅増加と共に特定時間帯別の料金割引が行われ、日光・鬼怒川系統特急との制度混同(こちらは土休料金・時間帯割引がある)もあり、乗る側から見るとJR以上に何が何やら訳がわからない料金体系となってしまいました。

して、この車両、白をベースにシャープな塗り分けで力強い黒と密やかな赤という取り合わせ…何か、こう語りかけるイメージが…

そうだ!巫女さんだ!(違)

室内に入っていきます。この形式、250系まで含めて車内模様は実に多彩です。そういう意味で「東武テイスト」を体感できる形式であり、「座席屋殺し」とも言えるでしょう。

まずは全景、この車内は3〜6番編成で見られるスタイルです。

座席は、どこかで見かけたことがある方も居られるでしょう。1720系「DRC」からの転用座席です。シートピッチは、DRC時代の1100mmから一挙に985mm(またエライ半端な…)と短くなっています。

背面の傾斜は2段、リクライニング時は座面もわずかに動く国鉄R20系列と同等の機構も健在です。シートバック部分、緩やかなカーブと網袋の造作にR26・27の影が被さります。

後部カバー部分には跳ね上げ収納式のバータイプフットレスト、これは200系転用時に施された改造です(DRC時代は固定バーレスト、引退前になって100系と格を合わせるためかR36Bと同様の固定両面フットレストに交換)。

座席自体はフレーム各部が少々強調されており(詰物等がヘタっていることも多分に)、背ズリを中心にわずかに華奢な造りが災いし、体の各部にゴツゴツッと当たる感じがします。アームレストは十分な幅を持っており、体の逃げ場がむしろこちらに傾くのはちょいと皮肉が効いています。

次は1〜2番編成の車内です。座席だけは、穏やかに先のものと違うな、と感じ取ることができるかと思います。

座席は新規設計されたリクライニングシートとなっています。リクライニング装置のレバー部分こそ、先の3〜6番編成のモノと同じになっていますが油圧で動作します。背面には一段窪んだ網袋が設置されています。

こちらの座席はウレタン詰物がベースとなっており、時間経過と利用頻度によって次第にヤレています。このヤレ具合と交換・メンテナンス頻度で鉄道会社の力の入れ方が判る、というものですが…東武はメンテ遅いですからねぇ…。

やはり肘掛は大きく、優雅に採られています。このアームレスト部分だけ見れば、JRのグリーン席に匹敵する幅かと感心します。

さりげなく窓側の折りたたみ大形テーブルも健在。

そして、7〜9番編成に投入されている座席です。基本的に1〜2番編成の座席と同じに見えますが…まずは背面の網袋がゴムバンドに変更された点に目が行きますね。

次に、よく見ると背ズリのランバー部分の出っ張り度合いが異なっていること・ヘッドレスト下のカーブが少々変わっていることに気付かされます。わずかですが、仕様変更があったと見られます。

私が乗った時は、メンテが掛かった直後と見えて、表地の状態も座面の詰物もこのクラスにしては良好なものでした。

車端部のテーブルは100系と同等の折りたたみ収納型です。このタイプでは網袋による状差しが設えられています(1〜2番編成タイプでは、上の写真の通りでテーブル以外何もない。)

さて、200系には元々車椅子スペースはありません。登場後暫くして改造工事を受けています。

これがその車椅子対応座席。ソデ体より下は各地の鉄道会社で見られるほぼ共通した座席です。上の部分は、アームレスト先端に見られるように、他の座席とトーンを合わせています。

もちろん、肘掛は跳ね上げ可能です。

200系登場後、暫くして増備編成としての250系が登場しました。純然たる新製車として登場し、一見200系と同一ですが細部がチョコチョコと異なっています。差し当たり行先表示装置がLEDになっているのは特徴(これもいつまで持つやら)と言えるでしょうか…。

その全景です。先の200系全景とカメラ側は同条件で撮影しています。座席の色が薄く見えるのは単に経時によるヘタりが来ているための他何者でもありません…ってか、メンテしてませんね…ヘタしたら登場時以来。

250系の座席です。基本的には7〜9番編成のものと同仕様ですが、ヘッドレスト形状が異なっています。7〜9番編成のそれがR55EだとしたらこちらはR55Hのそれといった違いです。

車椅子対応座席です。こちらはさすがに200系と同仕様かと思った貴方、それは早計です。

よく見るとアームレストの後端部分のカーブが異なって居るんです。こちらの方が後端部分が厚めにキープされており、造作的にちょっとお手抜きな感じです。

リクライニング状態。もっと突っ込むと、アームレストが少しダラリとたれています。

これはスペーサーがヘタってしまっている証拠、お見苦しや…。

車椅子対応部分をちょっと変わったアングルから…ちなみに浅草向きに撮っています。

こうしてみると判りますが、車椅子を使う方の固定ポイントは右列側の席になります。

と言うことは、左列側の座席ソデ体に設えられている車椅子対応ベルトは何のためでしょう…。必要ないギミックであれば取り外す位の配慮というか気配りはあっても良いように思えます。

デッキ部分です。車椅子対応部分と言うこともあり、割と広々しています。カード式電話、清涼飲料水の自動販売機もあります…ってこの自販機で買うと…高い(一般的なメーカーベンダーより20〜30円ほど)。

某掲示板の有名書き込みを流用すれば「まだ日本にもこんな所が…」と言う心境になれます。市価よりボッてる価格表示を堂々とできるとは凄いぞ、東武鉄道。今時、鬼怒川の老舗温泉宿でもこんなマネは滅多に無いぞ(昔は凄かったけど)。

車椅子対応トイレ、大きいです。オムツ交換台もあって、ユーティリティ的な不満はありません。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1形式不詳985mm
普通2形式不詳985mm