東武6050系 最終確認時期:2009年4月

日光・鬼怒川と言えば、東武伝統の特急列車がありますが、私のような庶民のささやかな行楽を支えているのが快速を筆頭に中長距離運用の任に就く6050系です。シーズンになると「尾瀬夜行」「スノーパル23:50」などの臨時列車にも入ったことは良く知られています。

先代の6000系を更新した形で登場しただけに、足まわりをそのまま持ってきている初期グループと、増備で新製された後期グループがあります。そのほか、乗り入れる野岩鉄道が保有し、車体見付は殆ど同じの60000系があり、車体番号と台車といった細かいところを見ないと違いが判りづらい車両でもあります。

最近の露骨な特急誘導策の前に、データイムは区間快速がメインと、何とも形容しがたい運用に就いていますが、それでも今なお存在感はバッチリです。

車内は2ドアセミクロス(戸袋窓部ロング)と、中長距離・グループ客を念頭に置いたパッケージとなっています。

カバー付き車内灯や暖色系モケットによるアクセント、少なめの車内広告は、登場当時であれば快速急行、今でも快速を筆頭に優等種別に入る列車として扱われてきた証左であると言えます。

長距離運用を前提とした、ボックスシート主体の2扉セミクロス配置はほぼ完成の域に達していると言ってもいいくらい無駄がありません。その有用性(というか適合性)は西武4000系という限りなくデッドコピーな形式で実証されていると言っても良いかも知れません。

座り心地ですが、バケットシートが一般化してなかった時の車両故、今となってはフィット感に少々欠けるのは仕方のないところですが、1人ごとに仕分けされた座ブトンとランバーのクッション部に東武の優等車としての意識が見えます。

アームレストに樹脂製のカバーが掛かっていますが、一部車両はこれがありません。初期車でも装備されている車両とされていない車両があり、その法則性は不明です。ボックス間ピッチは1525mm、JR近郊形ボックスよりやや広めとなっています。クッションが厚めなので差し引きおあいこと言ったところですが。

グループ利用を前提とした折り畳み式テーブルは、100系「スペーシア」にも引き継がれており、東武名物と言ってもイイかも知れません。このテーブル、端のボタンを押すことで折り畳みできますが、動きが少々唐突なので気を付けないと膝を…うっ、思い出しただけで青タンが再発(するわけはない)。

窓は一段下降窓となってます。上下方向の立て付けは良いのですが、少々風圧に弱いようで、すれ違い車両との間でJR211系よろしく大きい音をたてることもあります。重めの窓なんですけどね。

ロングシートは戸袋窓部分に限定されています。2人掛で、ちょっと座るにはこっちの方がお勧めかな。

200kmに迫る、私鉄としては長距離・長時間運用も控えているため、2両1組の車内にはトイレが日光側車両に備え付けられています。

反対側は車椅子スペースと共に、屑物入れも備え付けられています。フォントがちょっと国鉄チックで懐かしさもあったり…。

早朝などの一部運用を除くと、通常、浅草から6連で日光方面に向かいますが、2両単位運用ができる強みを活かし、多方向多層建て列車となります。そのため、運転台後ろには車内向けの種別・行先方向幕があります。

車両選択に戻る>>