阪急6300系 最終確認時期:2004年5月

私の阪急観と言うと、まずはこの車両になるでしょうか?2ドア・転換クロスシートメイン、優等種別運用の看板車両ですね。

車内全景です。ドア脇に折りたたみ式の補助席がある以外、先頭車はセミクロスシート・中間車はオールクロスシートとなっています。

それでも、ドア脇のみならず、転換クロスシート区画の通路の一部に張り出すように設置された吊革に通勤ラッシュに配慮した形跡が見えます。

転換クロスシートです。シートピッチ900mm、肘掛は窓側にも設置され、足下には可倒式のバーレスト。料金不要にしてこれ以上何を求める?と言わんばかりの陣容です。

窓側のヨロイ戸も健在、しかし、これはそれなりの重みがあり、高齢者や小児などには少々厳しいかも知れません。その後、新型車両では引き下ろし式のカーテンになっています。

座席自体は、今となってはその張り強め・総体的柔らかめな座り心地に賛否が分かれます。曰くお尻が沈みすぎ、着座姿勢が少々崩れるきらいはあります。実乗車時間がせいぜい3〜40分の路線とすれば、基本的に問題にならないと思えます。

それより、この形式で楽しいのは終着駅での座席一斉転換。「バシュ…ドドン」とエアの音も勇ましく、重々しい背ズリが転換する様は壮観の一語に尽きます。ああ、あのシーンを通路の真ん中で見てみたい(笑)。

ドア脇の補助席です。補助席だから…という手抜きは無し。しっかり詰物が奢られた座り心地は、決して悪いものとは思えません。

なにより、2人分一気に引き下ろすタイプではなく1人1人個別で使える、と言う設えについては、「使いたい人だけが使える」と言う良い意味で合理性と機能性を内包した思想をくみ取れます。平たく言えばジャンプシートですが、言葉に含まれる寒々しさを現物からは感じ取れないのが良いところ。

この座席、車端部分にもあります。ということは、ドアを挟んで向かい合う形で座れるわけです。

運転台の後ろにはロングシート。機能的に取り立ててどう、と言う部分はありませんが、ソファー感覚で座れる風合いの表地が幸いしています。見方を変えれば、この座席のお陰でこの形式は「セミクロスシート」(笑)。

京都側先頭車の連結面にはカード式公衆電話がセットされています。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳900mm