京阪3000系 最終確認時期:2009年3月

中之島線開業に合わせて登場した快速急行用3ドア一部転換クロスシート車両。コンフォートサルーンと呼ばれるタイプですね。車体色は京−阪間のつながりをイメージし、水都と京のれんをイメージした紺・都市と石庭イメージの銀・白のハイコントラストなカラーリングとなっています。窓回り金の辺りのあしらいがあれば近くに寄った時のアクセントになろうかとも思われましたが、金は8000系の新塗色に持って行かれているようです。

中之島の形状と、月・円弧をイメージしたデザインを取り入れつつ、屋根まで目一杯持ち上げたお顔が少々縦長な印象を受けます。さりげなく、かつ、順当に(?)ローレル賞受賞の栄誉にも輝いたのは記憶に新しいところ。

車内は1&2配列の転換クロスシートを主体に、車端部をロングシートとしたセミクロス配置としています。壁面の強い白に対し、座席や床面の濃い色が車体色とは上下逆にしてコントラスト関係にあります。

吊り手はブルー着色ながら、京阪独特の折りたたみタイプではなく一般的な吊り下げタイプ。天井の蛍光灯にはカバーが掛かっており、上級車両チャネルの雰囲気を残しています。

座席を見てみましょう。中之島から出町柳に向かって右側、1人掛クロスシートがあります。シートピッチ910mmとされていますが、後述の2人掛席共々、ピッチ実測値では920〜940mmで配置された列もあり、組み付けの粗雑感はいかんともしがたいところです。所定より30mmのズレともなると、違和感を感じる人がさすがに出るかと思います。私も「あれ?」と思って計ったクチ。

座席脚台が金属地むき出しなのはどんなモンでしょうか?ここまでの色配置からして、ここで銀はちょっと無いと思いますけど。

ドア戸袋窓の列でも1枚。座り心地ですが、座席・背面ともに両脇のエッジが立ちすぎて、背中の中央に向けて急激に落ち込むような形状をしており、中之島から乗ると枚方市辺りで腰から背中にストレス感を感じてくると思います(というか、鬱血感ですね)。背ズリ下端のフレームが尾てい骨にゴチッと当たるような、作り込みのヌルさが見えます。

中之島から出町柳に向かって左側が2人掛席になります。座席幅を広げて、ゆったり座れるようになっているとの由。座席そのものへのチェックとしては1人掛席と同じなのですが、1人掛も同様ながら、窓側の余裕というか余寸が皆無の風合いでして、通路側の席が「アタリ」だと思います。

こちらもドア際席でパチリ。進行方向が反対になる時ですが、衝立との間の余寸は少々狭めに思われます。足下の窮屈感は仕方のないところなのでしょうか、ね。

座席として転換させてみると、背ズリの軽さはなかなかの物だと思いますが、軽やかさとはまた別とすべきだな、と思わされた次第。

運転台後ろは通路を考慮しなくてよいため、2&2配列になっています。代わりに、手すりが円月状の大型の物ではなく、グリップ形状のコンパクトな物になってます。

進行方向右側に当たる席は常時遮光幕が上がっているので、人気があるようです。さらに窓側の方が眺めがよいかも。通路側はどうしても支柱が視界に被さってきます。

運転台後ろの席もこんな感じ。地下や夜間では遮光幕が閉まりっぱなしで、少々引きこもり感があります。遮光幕は電動となっており、日中であれば地上に出る時点で舞台の緞帳のごとくスルスルッと上がってきます。この辺は800系のそれに近いかも。

3000系は月をイメージしたデザインとのことですが、座席ソデ体にもこのように円弧状のラインが象られていたり、彫り込まれていたり。

この座席の売りとして、座席表地が高級志向になっている点が挙げられます。東レの高級スエード調表地材エクセ−ヌが奢られており、ドア間の転換クロスシート背ズリの間にタグが縫い付けられています。

立客対応の大型手すりも、これまた円弧状のものが設置されていますが、握り形状が手すりとしては平べったく、あまり適切な形状とは言えないように思えます。

画面後方の通り、日除けカーテンには水波紋をイメージした柄があしらわれています。他の座席カットでは座席をメインにするため、少々明るさをいじっており、あいにく見えづらいところご容赦。

ドアとの仕切板は大型で、目隠しまでは行かないものの、はっきりと境界が分かれる雰囲気になります。

この角度で見ると、転換クロスシートソデ体、オレンジラインアクセントが綺麗ですね。

車端部はロングシートとなっており、一般席と優先席が双方の車端部に設置されるようになっています。ロングシートの横幅は1人あたり約470mmとかなりゆったり作られています。

座り心地ですが、座面から腰部にかけてはよい食いつきとフィッティング感が楽しめますが、背ズリ上端部分の硬さの処理には意見が分かれると思います。私は、その形状と硬さについてあまりバランスが取れているとは思えません。せっかく窓サイズを無視したオーバーサイズの背ズリにしてちょっと勿体ない。

優先席。背ズリの上端から円弧状に山吹色の表地縫い付けがなされて、優先席であることが明示されています。手すりにも携帯電話を使わないようにする表示が追加でつけられていますね。

車椅子用区画とのミックスではこんな感じ。壁面にはパネルヒーターが設置されているとのこと。

列車の貫通扉、最近は油圧シリンダや斜行スライドによる「閉」の半自動タイプが多数派ですが、関西では阪急9300系のように、一般車でもタッチセンサーなどで自動開閉するタイプが登場しています。

京阪3000系もまさにそれ。握り手をつかむと自動で開閉となっていますが、その実はセンサー感知式なので、手をかざすとススッと扉が開きます。

扉の内張はシックなブラウン調となっており、ドア上には液晶パネルによる情報表示装置があります。ドア上端両脇には、ドア開閉地のサインライトも備わっています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1不詳910mm
普通2不詳910mm