京阪8000系(プレミアムカー) 最終確認時期:2018年01月

京阪の看板車両8000系。元々、オール転換クロスシート車だった上にダブルデッカー改造車までプラス、運賃だけのサービス列車としては満艦飾な印象も強いところ。

エレガントサルーン化でセミクロスシート化したと思ったら、プレミアムカー構想の発表で、第四形態的な進化をしちゃいました。

淀屋橋・出町柳とも、折り返しでなかなか忙しない運用のため、ゆったり優雅とまでは言い切れないのですが、ドア部分のデザインからビリビリ感じられる緊張感と世界観を験してみました。

車内全景は1&2の3アブレストと、従来車より座席配置で横1人分減らし、その分を座席周りの余裕とユーティリティに振っている形になります。

元々、割とすっきりした見付の車内ではありましたが、照明・壁面・荷物棚と全面的な改良、交換等がなされており、8000系としてのデザインコードを踏まえつつ、一般車との違いを視覚的に感じられるようになっています。

ヘッドレストのカバー、三日月様にシンボルカラーでアクセントが付けられていますね。見方によっちゃ、特撮系戦闘員の無機質なお顔によくありそうな口っぽさもありますが(違)。

1人掛席。黒と白という絶対的な世界観を想起させたハイコントラスト配色をベースに、ヘッドレスト外側の鳩マークと握手に金色を差し込むことで、説明不要のブランドであることを説明する意図が窺えます。その視点に立つと、かなり個性が強い、ともすればアクの強い座席という映り方をします。

シートピッチ1020mm・1人辺りの座席横幅600mm・アームレスト幅70mmと、JRであれば近郊グリーンや特急普通席チャネル価格帯に1ランク上の座席をぶつけてきたかな、という感があります。

ヒーターは座席脚台、座面後端の下にあり、2人掛席だとセンターアームレストまで伝熱し、かなり熱くなる感じを受けます。リクライニングさせない立位の状態で着座すると、背ズリの形状やクッション感はよく練り込まれているように感じられます。また大形ヘッドレストで、隣席との適度な隔絶感も保たれています。

しかしながら、リクライニングさせるとそれらの評価は一変します。

座面後端、背ズリ接合部から前方、30〜50mm程度の範囲における隆起状の成形に問題があり、倒した背ズリによる体重遷移に対し、座面が応えきれない状態になります。座面の角度不足もあってヒップポイントが喪失し、座面前方へ腰が滑り出るような体勢を取らざるを得なくなる上、その体勢に対しては、座面の前後長が20mm程度不足しています。

また、このリクライニング姿勢は、ランバー部分が背ズリから離れてしまうため、腰に負担が掛かるあまり好ましくない状態にあります。

1回目の着座で当たった席のセッティングがたまたま悪かったらこの感想は酷なので、車両・座席位置を変えて複数回試したものの、評価を変える必要はありませんでした。小糸工業らしくないな、と残念感が強いところ。ただ、これ、納品側の京阪のチェックもどうなのよ、という感を持ちます。

一般的な2人掛席の状態です。外見はドアを1つ潰し、従来の窓割りも割とそのままですが、車内側はカーテン用の桟が別に設けられています。

運が良ければ割と大きな窓で車窓も楽しみですが、改造車の避けられない運命か、柱(というか壁)がドーンと視界を遮る列もあるので、事前に京阪電車のウェブサイトで席番号と窓割をチェックしておくと幸せになれるでしょう。

センターアームレストは2ブロックに分けられ、着席者それぞれのテリトリを明確にしています。AC100Vコンセントは、このセンターアームレスト先端に組み込まれています。

淀屋橋側の端部1人掛席。窓を広く使えることや、出町柳行であれば最後尾列で総じて落ち着いた状態になることから、わりかし早めに席が埋まるように感じられます。

ただ、京阪本線の線形からして、午前中は日射が超絶ダイレクトアタックしてくることもあり、カーテン閉めっぱなしの憂き目は覚悟の範囲なのでしょうか。いや、そのカーテンも雅な模様なんですけどね。

淀屋橋側の端部2人掛席、出町柳行なので、最後尾列に相当する状態です。

通常の背面テーブルやドリンクホルダーに加え、センターアームレスト内のインアームテーブルが利用できるので、持ち込む荷物次第で座席周りの環境を切り替えることができます。

淀屋橋側の端部2人掛席です。

窓側席は壁面に折りたたみテーブル、センターアームレストには小さめのインアームテーブルが準備されてますが、通路席はインアームテーブルのみとなり、少しユーティリティが落ちます。

座席配置の関係で、結果的にこうなったという感じですが、壁面に向いての足下空間、この端部席が一番広いんじゃないかと思います。床面の枯山水模様のカーペットもじっくり楽しめるというものです(何か違う)。

乗降ドアから出町柳側、座席の反対側は車いす用スペースと大形の荷物置場、その奥はアテンダント用控室となっています。

荷物置場の固定用アーム…なんか妙に長っ(笑)。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
プレミアム1不詳(小糸工業製)1020mm
プレミアム2不詳(小糸工業製)1020mm