近鉄23000系(伊勢志摩ライナー) 最終確認時期:2003年6月

近鉄沿線でも屈指の観光地、伊勢・鳥羽志摩方面への観光特急として有名ですね。デザイン自体はアーバンライナーをベースにしていることがよく判ります。

人によっては、そのフェイスに仮面ライダーの影が重なるとか…まぁ、解らないわけでもありませんが…。ソレを言うなら、少し弄ればJR西日本の283系電車と兄弟関係では無かろうかと…思わずにいられません。

賢島でのほほんと待ってると、この列車が続々と押し寄せる時間帯があります。ダイヤ次第で3線しっかり伊勢志摩ライナーと言うことも…。しかし、発駅によって賢島へ突っ込む向きが全く逆…。

手前側は先頭車がレギュラーカーですが、向こうはDX車両です。

レギュラーカー(普通席)に入って行きます。JR九州787系よろしく様々なカラーの座席が並んでいますが、一応、各号車毎にベースカラーがあるそうです。この車両はさしずめイエローですね。

22000系から採用された天龍工業製の回転油圧リクライニングシートです。シートピッチはアーバンライナーと同じ1050mm、座席回転がペダルになって2例目です。まず、付属設備としてインアームテーブル・フットレストが見られます。その上、座席脚台には蹴込みがセットされており、スペック上のトータルでは特急普通席としてチョイ格上といった趣です。

しかし、この座席、私はどうにも好きになれません。まず、無駄に硬くてホールド性に微塵の期待もできないヘッドレスト・素材経年劣化でボロボロ、その上実用的でないツマミ窪み等の無駄ギミックなセンターアームレスト・同様の素材で反りが著しいサイドアームレスト・着座姿勢が安定できない座ブトン…残念ながら座席としてはレッドカード級のパフォーマンスの悪さです。

元・シーサイドカフェのコーナーです。車内での軽食などを扱っていましたが、今はその跡がそのまま残っているラウンジのようなスペースになっています。ちょっと勿体ないのですが、ここがかつて別の役割を持っていました。かつて、国鉄では1・2等車と3等車を分ける(あるいはグリーン車と普通車)為にビュッフェや食堂を挟む手法を取っていました。

今でも新幹線300・500・700について、サービスコーナー(一部縮小)がグリーン車を挟んで2カ所あったのはその発想からですが、この伊勢志摩ライナーでもその片鱗を感じ取れます。このカフェから後ろ2両はエクストラチャージが必要なサロンカーおよび特別席となっており、その方面への給仕サービスの利便性と同時に、一種の関所として機能していました。

そのサロンカーです。ハイバック1&2配列で座席が並んでいるのが判ります。ボックスシート以上、セミコンパート席未満といった開放感と個室感がない交ぜになった独特の雰囲気を醸し出しています。

サロンカー1人掛席です。ハイバックの固定クロスシートですが、なかなかゴージャスに設定された背面角度とオーバーサイズヘッドレストにちょっとヨーロピアンテイストを感じます。っていうか、この座席スタイルには個人的に「萌え」を感じますね。

座り心地ですが、こちらはなかなか優れているように思えます。座席的な造りに無理がないと言うか、空間をもてあまし気味なほど使っているというか…。オーディオユニットがしっかり残っていますが、どのみち2・4人で使う設備、要らないような気もします。

反対側です。座席背面同士の間には、荷物置場が3段ラックで備わっています。ヘッドレスト壁面には個別調整できる空調吹出口が見えます。実のところ、リクライニングできないと言う日本の特急車としては少数派の存在ながら、空間の使い方や落ち着きという点からは結構イイ線行っていると思います。

2人掛です。十分なサイズのソファーシートです。ソファーと言っても、座るとスブスブと沈み込むそれではなく、適度な詰物のボリュームを感じるそれですね。

センター部分には大型のテーブルがあり、窓際には電動カーテンの上下用スイッチが見えます。スイッチ手前にはマガジンラック…しかし、ここにうっかり冊子があったらカーテン操作スイッチは見えない危険性が…。

2人掛席の背面にも荷物棚があります。横幅は変わらず、奥行き勝負!なのですが、この横幅からすれば奥まで突っ込んだら多分取り出せません。

奥の間の趣を見せるデラックスシート、1&2の3アブレスト配置となっており、アーバンライナーのDX席に並ぶセクションといえます。鮮烈な座席色はやや派手のきらいもありますが、これがリゾート向け車両とすれば妥当なところでしょうか?

1人掛席、シートピッチ1050mmはアーバンライナーのそれと同じです。普通席との直接的なスペック格差は横のアブレスト数と、フットレストの豪華さ、オーディオユニットの有無のみです(注:スポット空調がありました…)。

展開するとこんな感じです。リクライニング角度はさほどのモノでもありません。フットレストもアーバンライナーで確立した台座固定反転式です。

座り心地については、座席表地・横幅が異なる点を除くと普通席とのパフォーマンスギャップをそれほど感じません。ヘッドレストに多少クッションが盛り込まれている程度(ってことは普通席のヘッドレストは判った上での格差付けの犠牲?)でしょうか?

2人掛席です。センターアームレストが程よく隣とのパーテーション機能を果たしています。結構しっかりしていますね。

自動回転機構を持っている為かどうか、この座席は回転させるとものすごく重いのです。座席回転の際、台座を見るとビックリ仰天。台座の中に…チェーンが見えます。全国並み居る自動回転機講座席でもチェーン駆動で回転させるのは恐らくこれだけかと…。

運転席後ろにはこのような展望コーナーがあります。程よく交代して眺められるように、バータイプのベンチ席になっています。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
レギュラー1不詳(天龍工業製)1050mm
レギュラー2不詳(天龍工業製)1050mm
DX1不詳(天龍工業製)1050mm
DX2不詳(天龍工業製)1050mm