近鉄26000系(さくらライナー) 最終確認時期:2003年6月

関東に住んでいる場合、「近鉄特急に乗る」と言うと多少知っている人ですら「名古屋・なんば・鶴橋・京都」から乗るイメージが強く、あべの橋(≒天王寺)から吉野方面への特急があることを知らない人が多くいます(いや、そもそもあべの橋から近鉄線が出ているという事実すら…怪しい場合も)。

長らく「デッキ無し特急」が幅を利かせていた南大阪線でしたが、アーバンライナーのデザインコードに吉野の桜をコンセプトイメージとした「さくらライナー」こと26000系は、そんな南大阪線のイメージリーダーとして活躍しています。朝晩は堂々8両編成で活躍しています。

先頭車部分は非常に開放的な造りとなっており、運転席後ろを予約するとこのような前面展望が楽しめます。写真は尺土を出発し、二上山を回り込んで古市へ向かって走行中の光景です。

室内全景です。さくらの花びらをイメージコンセプトにした車内はライトグレーの内装板とチェリーピンクのシート表地が鮮やかなコントラストを形成しています。

デザインの多くにアーバンライナーで確立したノウハウとセンスが注ぎ込まれています。リネンにさくらライナーを表す「SL」のデザインロゴが刺繍されています。

後ろから見てみるとこんな感じ。バックシェルがお見事ですが、さくらの花びら(本物はもっと茶色ですね)とも解釈できます。

通常、全く関係無いコトながら、この荷棚下にあるライト…各灯下部に何やらスイッチがありまして、これをパチンとやると何とON・OFFが操作できてしまうと言う驚きの機能が!客サイドで弄れたんかい!この照明…。

もちろん、点灯がデフォルトなので、よい子はマネしないように。触ったら元に戻しましょう。

1050mmピッチで配置された回転油圧リクライニングシートです。日本リクライニングシート(ニッパツ)が作り上げたものですね。「鉄道ファン」に「さくらライナー」を造り出すに当たっての経緯が記されている号がありますが、その時もこのシートが象徴的に写真に納められています。

近鉄初、アームレストカバーを上げてのインアームテーブル装備座席となり、背面バックシェルは網袋の代わりにジュース用ポケットと小物入れを成形しています。センターアームレストは長め基調で、全面モケット張りを施し、座席間収納をしても違和感が無いように仕上がっています。フットレストも台座固定式ながら土足面・土禁面共にセットされるなど抜かりありません。

他でも触れてしまっていますが、この座席を含む以降の近鉄特急座席は、ヘッドレストの処理に難が出るモノが多い(と言うかヘッド処理が下手)です。しっかり深々と腰掛てもどうにもしっくりしないコトが多く、残念な思いをしています。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不詳1050mm