近鉄30000系(ビスタカー・リニューアル前) 最終確認時期:2008年6月

私どもの世代で言うところの「近鉄ビスタカー」と言えば、30000系が当たります。アーバンライナーが出るまでは、時刻表に記された独特のビスタマークに胸ときめかせた記憶があります。そんなビスタカーも、新製車のレベルに合わせるべく大改造がなされました。

結果、ビスタEXという愛称で活躍していると言うわけです。

リフレッシュ後の座席です。フレームは昔のまんまのいわゆる座面スライドリクライニングシートです。てっきり改座すると思っていたのですが、布地張替と背ズリの形状変更を行って出て参りました(笑)。

ノーマルデッキのシートピッチは980mm、これは登場当初のままです。

ビスタカーはドアが車両中央にあります。車両を横から見ると、乗客動線は「X」になるわけです。以前はもう少し無骨だったのですが、リフレッシュ後は非常にキレイになりましたね。

2階席を車端方向に見たものです。突き当たりから先は先頭車へ通じる扉です。トイレなどの際は使いますが、普通は通りませんね。

全景を見ての通りで、西日本のアイデンティティとも言える荷棚下の蛍光灯も健在です。そういえば、先頭車の方はありませんでしたね。

そして、車両中央・ドア側へ向かって見た場合の全景です。開放感を重視したガラスドアが印象的です。

ビスタEX2階席です。この車両については、2階部分を新製したも同様の改造を行っています。その結果、座席自体は変わらないものの、シートピッチが980mm→1000mmとなっています。

座席自体ですが、ヘッドレストは見ての通り薄くて固いと思います。座面も本格的に手を入れた、と言うわけではなく、沈み込み量やフィット感についてはバネ圧を感じるような前時代的と言えます。

座席脚台、ヒーターカバー部分については蹴込み形状を保ってくれているので、多少は脚を伸ばすことが可能です。

ビスタカーは新幹線100系が出るまでは事実上唯一の(「あおぞら」と言う隠れキャラも居ましたが)完全ダブルデッカーを持っていたわけですが、いわゆる「階下席」については台車と床下機器の関係でそれほどの奥行きは取れていません。中央のデッキから直結、という趣で定員6名のセミコンパート席が設えられています。

座席自体は、特にリクライニングなどもなく大型のソファーシートになっています。窓側アームレストを企図した部分はシート表地と同じ布が貼り付けられています。位置が少し高めなので、脇の下が空いてしまうのがマイナスでしょうか。

座り心地ですが、これがちょっとしたモノなんですね。伊勢志摩ライナーのコンパート席にはおよびませんし、ランバー部分のカーブがちょっと前近代的ですが、リニューアル座席よりはこっちの方が良かったりすると思いますヨ。ヘッドレスト後ろは荷物棚になっています。

テーブルらしい張り出しが見えますが、実際はシート表地が貼り付けられてない部分が全面テーブルと考えられているようです。

通路側はこんな感じ。階段に面した席は、ドア開閉時に気忙しさを感じると思います。

指名買いしない限り座席指定上のラストプライオリティか、調整用の扱いではないかと思われますが、真相やいかに…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通(1階)2不詳980mm
普通(2階)2不詳1000mm