熊本市交通局9700形 最終確認時期:2000年3月

全国の路面電車で超低床車の導入が進んでいますが、その嚆矢となったのが熊本市交通局の9700形です。真っ白な車体、滑るような走行感、それまでの路面電車とは一線を画した存在感があります。

車内はバリアフリーから歩を進めてユニバーサルデザインを意識した空間になっています。多くの握り手や、押しやすい位置の降車ボタン、パーツ別の明確な色分けは必要な情報を的確に伝えるためのものと言えます。

熊本市電には5編成があり、編成によって座席のモケットや化粧板の色が多少異なっています。後期投入車の方がよりヨーロッパの配色に近いような気がします。

クロスシートが多い車内ですが、これは座席がタイヤハウスの上を有効活用(?)しているためとも言えます。樹脂製のフレームにクッションを乗せたもので、座り心地は少々硬いと思います。

出入口近くには収納式のロングシートがセットされています。収納された状態では、ここが車椅子スペースになっています。

手前にクロスシートの裏側が見えますが、ここは小判形タイルが敷かれており、荷物置場に使えるようになっています。買い物袋などを想定しているようです。

ロングシート部分です。ちょっと座高が高いので、高齢者には厳しいかも知れません。座るところは他にも沢山あるので、譲り合いで使いたいものです。

タイヤハウス上のクロスシートです。ボックス状になっていますが、その寸法は少々狭めです。横幅は1.5人分という感じですが、話に依れば1人が普通に掛て、あと1人が斜めに軽く腰掛ることを想定しているとか…。

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