南海10000系(サザン) 最終確認時期:2007年2月

朝晩を軸に、大阪(なんば)〜和歌山(和歌山港)間の座席指定特急として、地味に(?)四国連絡列車としても知られる列車ですね。当方、関東では南海特急と言われてもピンと来ない人が多く、「サザン」より「こうや(今なら「ラピート」か)」の方が知名度があるんじゃなかろうか、と思うこともありました。

初期車登場当時、小学生だったのですが、友人から「この列車、特急なのにトイレ付いてないんだって」と教わったのが印象的でした。尤も、今は増結車が入ってトイレも完備されていますね。

初期車(1・4号車)の車内全景です。照明の配置がいわゆる光天井となっており、南海「らしい」クオリティと呼べるのかも知れません。窓上の補助的な照明もバッチリですね。

座席は980mmピッチで回転リクライニングシートが設置されています。この頃のリクライニング機構はバネが基本(在来線で油圧式と言えば、当時の国鉄211系等くらいか)であり、この座席もアームレスト先端のボタンレバーを手前に引き、ロックを解除させるものです。バネ機構によるリクライニングシートで、純然と背ズリだけがリクライニングするのはレアです。当時、小田急も近鉄も、国鉄R52のようなストッパー付せり出し式リクライニングシートでしたから。

クッションは少しソファー向けバウンス感を持っています。登場当時としてはごくごく標準的なモノといえます。表地にライン引きが微妙に入っているのもトレンドですね。

そのほか、窓下から床面近くにかけても布地の内張がされています。こういうホスピタリティが失われて久しいのが最近の車両でしょうか。

好調な利用もあってか、中間車が増備されています。初期車と同タイプのものもあれば、連続窓でちょっと新しめの車両も居ます。

画像は、その後期増備中間車の全景。照明の基本的な配置は初期車に準じたモノとなっています。

車両奥に車椅子対応ブロックを見通した向きから。

そして、喫煙車。ソデ体前方の灰皿フタが現役の状態ですね。利用度が高いのか、特に誰も居ないはずの喫煙車ながら滅茶苦茶煙たかったです(笑)。

座席は回転油圧リクライニングシートとなっています。テーブルもインアームテーブルが装備されており、標準的と言えば標準的な特急車内といった感じです。

後期中間増備車の座席ですが、これまたソデ体とセンターアームレストがオリジナルな一品でして、近似形状の座席を見たことが無いんですねぇ。

センターアームレストは長さもイイ感じなのですが、両側のソデ体、特に前方への角度が寸詰まった格好となっており、インアームテーブルを収納する関係もあって座席全体が腰高のやや不格好で不安定さを残すデザインとなっています。

シートピッチは1030mmが一応のオフィシャルのようですが、実測値で1025mm程度の区画も有り、存外アバウトな配置を感じます。

車椅子スペースは2号車の1・2番席部分を使って固定金具をセットした場所が用意されています。

車内通路扉上の情報提供装置その1、初期車のものです。

こちら後期増備車のもの。

2号車の3号車側には自販機といつ使われるか判らないサービスカウンターがあります。

そして、3号車の2号車側にはトイレが設置されており、トイレなし特急の名を返上しています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
レギュラー(1・4号車)2不詳980mm
レギュラー(2・3号車)1不詳1030mm