南海12000系(サザンプレミアム) 最終確認時期:2011年9月

南海特急「サザン」にも世代交代の波。どっかの戦隊シリーズや特撮ヒーローの如きカクカクとした印象のフェイスが特徴になるや、の12000系。

ヘッドライトが上部中央ってのは、なんだか先祖返りの趣ですね。プレミアムと付けられていますが、座席指定料金は今まで通り500円。運行予定がオープンになっているので、あらかじめ狙って乗ることも比較的楽でしょう。

和歌山方先頭車両のトイレ区画壁面にはこのようなロゴと路線イメージ図のイラストが入っています。

ただ、これを見ると…あれ?空港に入るの?と思わされますが…。

サイドビューの仰々しい、ともすれば些か安っぽいロゴには目を瞑るとして、右上の行先表示装置を見ると泉佐野乗換で空港連絡をアピール。

なるほど、先の路線図イメージはここに繋がるのだ、と。

2・3号車の連結面を見ると、不思議な造形。如何にも「その気になればドア穴開けちゃうぞ」ムード全開の区画です。

因みに、サザンに限らず特急(指定席)車はドア位置を2両単位で寄せる傾向がありますので、ここがその予定通りなるかどうかは…?

自由席車8000系との連結面を撮ってみると…ラインが見事にかち合って…ません(殴)。

強いて言えば、運転席窓の下端が同じ高さって位。

車内全景。中央の31000系とほぼ同タイプの光天井調照明に、荷棚下照明と来れば南海の、いや、ともすれば関西系車両のDNAがしっかり息づいています。白を基調とした内装化粧板、鮮やかなブルーの座席、荷棚先端の茶系木目カバーと通路カラーのシンクロぶり、シンプルな中に芯の強いデザインを感じます。

乗り心地ですが、和歌山に近づくにつれてカーブをグイグイ抜けるところ、少々横揺れが強めに出ていると思います。今までの車両ではあまり感じられない揺れ方なので、車両剛性あたりの問題か、はたまた乗った時の路盤が問題なのか…。

座席は小糸工業製、ソデ体とテーブル周辺の造作ははJR北海道789系1000番台自由席区画・785系自由席リニューアル部分と同タイプです。センターアームレストは、JR東日本E231系グリーン席の初期投入形にあったやや短いタイプ、これはちょっと惜しいか。ここに売り文句の大形ヨーロピアンタイプヘッドレスト等が加わります。

座り心地は硬め基調ですが、E231グリーン席のような反発性の無いものではなく、グッと締め込むようにボディを落着させるバウンス感を持っています。座面角度や両脇のバケットを意識した張り出しも、飾りではなく作用しているのが感じ取れます。

その上、後頭部にはほどよい角度の枕調クッション、肩から上の重量とその下の重量を分けつつ、それぞれをしっかり受け止める背面角度の絶妙さ。特急普通席クラスの座席という前提で、今まで設計開発された結果を選んで詰めた良作だと思います。

フットレストはバネ仕込みの自動復帰タイプ、蹴り下げた時の角度は少々下に降りすぎだな、と思います。

座席背面には、網ポケットの脇から傘・杖立て用のゴムバンドがこんにちわ、って感じで出ています。

関東ではE531系グリーン席で目見えしているギミックですが、関西圏車両の座席では初の採用例になると思います。

AC100Vコンセントは座席後端のカバー部分中央に2基設置されており、奪い合いをしなくてもOKですね。

シートピッチは1010mmと概ね不満は無い数値ですが、自動座席回転装置の下にヒーターが組み込まれ、さらにこのような設備の配線関係スペース取りの絡みもあったのか、脚を突っ込むスペースが無い点は不満があるかも知れません。

端部壁面の座席では、テーブルはこれまたJR東日本E231系グリーン席でお目見えした折りたたみテーブルが鎮座しています。

ACコンセントはその下に配線カバーと共にお目見えしていますが、新規設計の内装にしてちょっとこの組み付け感全開の設えは貧乏くさい…。

和歌山方先頭車には車椅子用スペースがあります。こちらも、座席方向を転換した時に備えたらしきAC100Vコンセントが見えますが、これまた壁面に無理繰り増設した感満載です。

車体がアレなのかも知れませんが、この程度の配線工事すら許されない構造なんでしょうかね?

さて、先ほどドア設置準備工事らしき区画が見えた3号車の方。何か、凄く理不尽な区画が見え隠れしています。

…窓がない。1〜4番席は、ドア戸袋部分に無理繰り座席を配置しており、窓無し席になります。和歌山方向なら3号車の最前列、難波方向なら最後尾列になります。

難波方向の時はある意味の修行席ですね。一番最後尾列は、何かと気兼ねが要らないことでビジネス列車では人気の傾向がありますが…その効用とトレードオフどころか木っ端微塵な気がします。

和歌山方面だとこんな感じ。一応、準備工事窓にもカーテンがあるとは言え…なんともはや。

売り文句にあったプラズマクラスターは全景画像の通りで、交互に配置されています。効用の程は、冬場になると判るのかな。

車端部分。2号車のドア準備工事区画らしき部分。目下、大形荷物置場やら体のイイ携帯電話スペースと化している様子。

難波側先頭車両にはジュースの自動販売機。

反対側はトイレがあります。

和歌山側先頭車は車椅子対応多機能トイレが設置されており、通路動線がカーブしているのが判ります。向こう側には男子小用区画も見えますね。

その反対側には洗面台。三面鏡ではありませんが、比較的大型のサイズです。

本来のドアはこんな感じ。ドア上には、これまたおなじみの感もある監視カメラが設置されています。

使う機会があるようなないような…。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通席2不詳1010mm