南海2300系 最終確認時期:2005年11月

世界遺産・高野山、南海高野線のローカル運用向け車両として登場した車両です。橋本まで行かないと見られないかと言えば、なんばまで乗り入れる運用もあるそうで…。

高野線内であれば何とも思いませんが、これがなんばまで入ってくると、他の並み居る大型車両のなかでそのボディカラーと共に異彩を放つ存在になります。何でも、当初は南海的にフツーの車両にするつもりが、世界遺産指定が急遽決まって車内外共にイメージ変更がなされたとか…。

車内全景、割とコンパクトボディの割に広々に見えるのは座席配置が作用していると思われます。

車両間の車椅子通行を意識した設計とのこと、通路部分を確保するための1&2配列という面、ワンマン運用におけるドア開放箇所限定=室内通行の円滑性、運用効率化のためのピーク収容力アップ等、必要に迫られた要求仕様がこのような形になったのでしょう。

その割に着席定員が少ないとも言えますが、着席需要以外の求められた性能、と言う面にも思いを致してみる必要がありそうです。趣味者から見れば見どころ沢山=撮りドコロ沢山、と言う楽しみと撮影難易度のせめぎ合いでキリキリ舞であります(殴)。

車両ドア間部には転換クロスシートが900mmピッチで設置されています。ソデ体などにはJRでよく見かける意匠がチラホラと、可能な限り共通部品を回しているのかも知れません。

窓は当初設計から変更されたあおりか、車体強度的な点からか判りませんが、座席配置と無関係な状態。故に、眺望という点で見れば大当たり席と大ハズレ席が1列おき。でもアタリ1列につきハズレ2列ってのはなんかナンですねぇ。

1列席もあります。なんばに向けて右側が1列席、高野線内に限れば眺望的に概ねハズレになってしまいますね。

座席背ズリは横から見ると鮮やかなまでのボーリングピン形状。しかしそれは両側のエッジだけで、直接身体をホールドする真ん中は比較的フラットになっています。

先の2列席と共にヒーターは座席下にぶら下がる形状で設置されています。足元が広々使えるのは良いことです…但し、1人掛に限れば座席の脚台のお陰で片足がビョンと飛び出す羽目になりそうですがネ。

対照的なのは車端の固定クロス部分。転換クロス部分に比べると随分とフラットに仕上がっています。しかしまぁ、新造車でここまで窓割りと眺望がチグハグなのも珍しいと思うのですが…。

一方、運転台後ろは2&2配列の転換クロスシート、ココだけ見ると凄く贅沢な空間取りです。ちょっとだけ個室感覚かも知れません。

固定クロス席の脇にはロングシートがちょこっとだけ、特段派手なバケット仕切にもなっていません。イマドキにしては珍しいかな?

運転席側ドア脇には車椅子スペース兼収納座席があります。ちなみに、ドア間窓とそれ以外の窓でカーテンの色がビミョーに異なっているのは何か意図があるのでしょうか?いずれもフリーストップ型の引き下ろしカーテンになってはいましたが…。

通常はロックが掛かっているようで、制限時間帯以外は引き出して使えると言うよくある設え。

ドアに面したクロス背面には腰当て用のクッションも…。気配りと「定員立席」のため?

この車内各所の衝立のお陰で、寒冷期のドア開扉時に冷気が座席下空間となったクロスシート部分を駆け抜けづらくなってるのはチェックポイント。

1人掛列側、やけに分厚いのは何らかの機器収納のせいなのでしょう。

ドアは最近よく見られるガラス押さえタイプ、ドア上には情報表示装置が千鳥状に配置されています。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通1不詳900mm
普通2不詳900mm