南海30000系(こうや・りんかん) 最終確認時期:2006年1月

高野山詣といえば「こうや」の図式があるかどうかは判りませんが、近鉄特急や京阪テレビカーと並び、関東モンでも音にききし関西私鉄の代表的な特急列車ではないかと思います。初代の車両は残念ながら、図鑑の中だけの憧れで終わってしまいました。

登場時、縦並びのライトには色々あったようですが、今になってみれば運転席のパノラミックガラスのラインと連続性を意識した形状は、1999年の更新改造を機に取り付けられた電気密着連結器と相まって、結構カッコイイんじゃないかな?と思っています。前面で赤白ラインをタタッ切らなかったのは良かったと思います。

タイミングが良ければ、極楽橋駅ではこのように2本並びが実現します。

さらに、正月の土休日臨時ダイヤの絡みか、立て続けに3本が到着。31000系も含め、このような3本並びが見られました。撮影当時、わずか十数分だけの貴重なシーン。

当時、何の気なしに撮ってきたものの、後で結構レアな光景だったと教わった次第。

車内は、20000系で知られた「光天井」が引き継がれています。天井パネルはブロックごとに枠があり、厳密にはまるっきりの光天井ではないのですが、いや、良いんじゃないですか?窓上の蛍光灯もポイント。関西のアコモデーションDNAまんま。

リネンの在庫の関係かは寡聞ですが、この時の定期扱い列車はピンク色のリネンを使っていました。

こちら、臨時扱いの方。リネンが白いものになっています。たまたまのことだとは思いますが…。

1999年の更新工事を機に改座されており、登場当時の姿ではありません。座席は小糸工業製、JR型番で言えばR55GあるいはRS390系統のソデ体にCR59や64で見るようなセンターアームレストが装備されたオリジナルタイプの座席です。背ズリはR55Hのランバー部分がもう少し薄めになった感じといえば最も近い感触になると思います。

リクライニング角度はそこそこ、あまり長時間の運用でもないのでこのくらいで良いのでしょう。惜しむらくは座席自動回転機構を搭載したためか、脚台下がカバーで塞がれてしまっているのは、今では少々古さを感じる見付ですね。

一応、臨時扱いだった方でもパチリ。車両も登場時期も同じなので、その差は殆ど見られません。座席自体に特に不満はありませんが、リクライニングレバーの反応(というか、レバーの引きしろ感)が少々ニブチンな感じを受けるかも知れません。これは器具の調子やらガスの状態やらで変わってしまうので何とも言えませんが…。

南海の現行の特急電車群、「サザン」の一部を除くと出入扉が2両1ユニットで固まるように造られています。「こうや」の場合、2・3号車の間にはトイレ・洗面台・サービスコーナーが設置されています。3号車業務用ドアの脇にはカード式公衆電話。橋本〜極楽橋間は電波の関係で使用できません。

電話の向こう側にはトイレが2箇所設置されています。車庫・基地の抜き取り設備の関係かも知れませんが、1・4号車の人はちょっと歩くことになりますネ。

反対側には洗面台もしっかり備わっています。この辺は平均的な設えと言えるでしょう。

2号車には清涼飲料水の自動販売機がサービスコーナーとして設置されています。デビュー当時、ここに売店があったのですが、1999年の更新工事を機にリニューアルとして自動販売機に置き換えられたとのこと。

2・3号車の連結面から公衆電話側を見てみると、客室との仕切扉はちょっと歴史を感じるデザインのスモークガラスです。公衆電話のサインが天井近くにピョコンと飛び出ているのがご愛敬。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通席2不詳980mm