会津鉄道AT400形 最終確認時期:2017年9月

浅草からの直通特急も新調され、会津エリアへのリーチルートとして存在感が増した会津鉄道。かねてより購入した気動車を改造し、お座敷やトロッコタイプ車両として運行していたところへ、第3弾的な立ち位置でデビューしたのがこの車両。

当初「風覧望」と名付けられていましたが、併結車両の交代と提供設備のリニューアルをした頃からは列車単位で「お座トロ展望列車」とされ、単体名ではあまり呼ばれなくなりました。タネ車はキハ40で、会津若松側を車両限界ギリギリまで拡張改造し、展望席としています。

デザインプロデュースはアークメイソン社が行い、施工は新潟トランシスで行われました。

展望席部分は2&2の4アブレストで3列、都合12人分の座席が並んでいます。この座席については荷物棚がドア脇、階段部分の棚を使うこととなります。

乗車してみて判ったのは、この区画は地味に冷房が効きづらいという点。

逆向きで、運転席側を背後にした場合のショット。眺望を重視した造りであることがこれで一目瞭然。

座席自体は1000mmピッチで、JR西日本683系普通席のWRK243と同様の座席を設置していますが、メーカーズプレートが見当たらないので型番の特定はできません。また、背面テーブル上のコートフックやインアームテーブル等がなく、やや簡素な設えとなっています。

かなり目立つ差違として、ヘッドレスト脇に大形の握り手が付けられており、どちらかと言えばJR東日本の「きらきらみちのく」車両のそれと同系譜なのかな、と感じています。

座り心地ですが、座面・背面共にウレタンがかなり草臥れてて、リフレッシュが必要なんじゃないかなと思うトコロ。元々の座席はフレームのアタリで気になる点が無いわけじゃありませんが、言うほど悪くもない、という中庸な評価の座席なので、メンテの問題かな。

車両中央部は、以前は展望席同様のリクライニングシートが並んでいましたが、お座敷車両の引退を受けて、ここがお座敷コーナーに改造されました。

会津若松に向けて、右側が青・左側が赤となります。1区画4名分の掘りごたつ席になっています。ただ、窓割りは回転リクライニングシート時代のままなので、窓と席のピッチが各ボックスでビミョーに合いません。

お座敷は、先述の通り掘りごたつ席となっており、靴は座席の下の空間にしまい込む形です。テーブル下がヒーターとなっているようですが、掘りごたつ部分の足を置くスノコ、ホームセンターでテキトーに選んだ感のある、やや寸足らずなもの。足を置くにも頼りなさが残ります。もうチョット、ここ何とかならなかったですかねぇ…。

また、お座敷のフレームが骨材の形状丸出しで通路から見えちゃっており、風情というか雰囲気がスポイルされてるきらいがあります。

展望席ドア側のデッキ仕切扉も、鉄道タイプのそれではなく一般家庭や商店の勝手口にありそうな引戸や戸仕舞いでして、DIYテイスト溢れる風合いになっています。

会津若松側運転席横、JR東日本の地域ジョイトレ車でよく見かけるベンチシートが設置されています。モケット模様がやはり「きらきらみちのく」で使われていたものと同じでして、改造時期が窺われます。

この列車は一応、座席定員制の体を取っており、展望席・お座敷・トロッコ席それぞれの座席種類毎に定員設定があります。ここは、その定員外設備となり、交代で利用するものとなっています。走り出すと結構迫力ありますよ。

会津田島側、ドア脇には車いす対応の大形トイレが設置されており、編成中唯一の設備となっています。

展望席側のドアは移設したのみとなり、デッキ部分を含め、タネ車の雰囲気をよく残しています。

車両選択に戻る>>
座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普通2不明1000mm