383系電車 最終確認時期:2009年6月

誰が言ったか中央西線の特急「しなの」は、「乗るなら飲め、飲むなら乗れ」と言われる趣の振子動作で山間を駆け抜けています。主役の座を381系から譲り受けたのが、さりげなくハイテクな足まわりの383系です。

車内は見ての通り「JR東海イズム」統一トーンが貫かれています。在来線も限りなく新幹線イメージ、そういう意味では成功しています。

これが、実は北海道で派生形式大量増殖中(笑)のCR66です。落ち着いた着座感と滑りのないモケット、1000mmのシートピッチ…在来線特急の普通席としては公約数的な環境です。

一見、死角の無い普通席ですが、低重心が命の振子車体でワイドビューを満たすため、窓がもの凄く大きく取られています。そのあおりで、窓側のアームレストと窓キセが干渉し、腕がロクに入りません。普通に考えれば、モックアップまたは組み付けテスト段階での練り込み不足、仕上がりは凡ミス級です。腕が入らないのなら徹底して入らなくすれば、潔い割り切りですが、中途半端に入りそうでやっぱり入れるともの凄く身体姿勢に無理が掛かれば「配慮が無い」と言われますネ。

フットレストはラチェット機構(実際は何やらおもしろい機構らしいですが)で、一旦下に下ろすとそこで位置固定されるフットレストです。しかしながら、最近の「ややメンテお手抜き」の煽りか、うまく動作しないブロックも散見されます。

車椅子ブロックの前列席では、長野方向に向いたときにテーブルを使えない区画があります。その為、この部分だけソデ体をCR68(373系普通席)のものを持ってきて居ます。

これと似たケースは、同社371系JR東日本の400系新幹線普通席の項で、類似例を取り上げていますが、シートバックテーブル主体のアコモデーションではよく見られます。

ただ、それをしてもやはり落ち着かないこともあるのか、指定順序上はラストプライオリティにあるようです。

1人掛はCR70が装備されています。横向き固定などはなく、肘掛の跳ね上げと車椅子固定ベルトが見える程度です。

全展開状態。肘掛も上がるのですが、これ、安全高度まで上げると(笑)リクライニングが解除されてしまうので、このまま。

グリーン席です。当時のJR新製車では珍しく2&2配列のグリーン席です。荷物棚に読書灯が仕込まれていますので、夜行運転時に減光していた、かつての「ちくま」車内でも手元の明るさは十分確保されていました。

ちょっとレアな貫通形グリーン車での車内全景。運転台廻りの造りが異なりますが、それ以外の客室区画に大きな変化はありません。

CR43が1200mmピッチでズラリと並んでいます。座席自体はそれなりに大型、テーブルもインアーム+シートバックテーブルとユーティリティは充実しています。掛心地に限れば、特に悪い点が見あたらないと言うのがJR東海の座席群の特徴(373系、新幹線を除く)なので、その点でどう、と言ったモノはありません。

しかし、やはり2&2配列が痛いですね。「南紀」仕様のグリーン席を見た後では、どうしても迫力負けしてしまいます。振子車としてのバランス確保と、普通車と違っておいそれと増結できない性格から最大定員を狙ったと解釈しますが、何となくマイナスバリューを露骨に受けてしまいます。

普通車とグリーン車の境目には車販準備室があり、ちょっとしたフリースペースもあります。

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座席データ座席クラス掛人数座席形式シートピッチ
普 通1CR701000mm
普 通2CR661000mm
グリーン2CR431200mm